のんびりルーム~軽度知的障害の私~

20歳で知的障害が判明した私のおはなし。

出来ないと言う、勇気。

未だに自分の"頑張っても出来ない事"が分からない。

 

20歳まで私は、出来ない事があるのは、自分が努力の足りない人間だと思っていたからだ。

 

今まで思っていた。

「頑張れば出来るのではないか」と。

 

 

でも私は、ある日のカウンセリングでの、心理士さんの言葉で変わった。

 

「頑張れば出来ると思ってしまうんです」

という私に心理士さんは、

「なぎさんは、お金の計算と時間の計算は頑張っても出来ません。頑張らなくて良いです。誰かに頼りましょう。そして、一緒にやってもらいましょう」

と、言った。

 

 

「頑張っても出来ません。頑張らなくて良いです」

この言葉が、心に響いた。

 

頑張らなくて良いんだ。

だって、出来ないのだから。

 

 

その瞬間、今まで「頑張れば出来るかもしれない」に縛られていた私の心は楽になった。

 

これからは、出来ない事は出来ないと言おう。

そして、まわりの人を頼ろう。

 

ようやく、そう、思えた。

 

 

今の私は、少しずつ、出来ない事を人に頼る事が出来るようになって来たと思う。

 

そのお陰で、日常生活も大分楽になって来た。

 

 

"出来ない事を出来ないと言う事"。

 

私はこれに、9年かかった。

 

でも、それも私らしいなと思う。

 

 

振り返れば私の人生は、何事も本当にゆっくりな歩みなのだから。

 

 

 

 

────ここまで読んで下さってありがとうございました。