軽度知的障害の、私。
小さい頃から周りよりものんびりした子供だった。
自分と周りとの違いを感じ始めたのは、小学校3年生の時。
勉強についていけない、友達と上手くコミュニケーションが上手くとれない。
それは自分が頭が悪いからだと、思っていた。
クラスに適応出来ず、不登校を繰り返していた小学校時代。
満足に登校出来たのは、最後の1年間だけだった。
中学へ上がると、まったく勉強についていけなくなった。
「なぜ自分は勉強が出来ないのか」
勉強が出来ない自分が嫌で、恥ずかしくて、中学1年生の2学期から、不登校になった。
高校受験もせず、引きこもる日々。
「これではいけない」
そう思い、アルバイトを始めた。
パンの製造の仕事。
レシピを覚え、工程や時間どおりに製品を作る。
それが、出来なかった。それ、すらも。
「なんで私は覚えられないのだろう…」 そう、思った。
職場に適応出来ず、転職を繰り返した。
そのうちに、もともと持っていた"潔癖症"が悪化していった。
身体が汚れるのを防ぐために、部屋から出られなくなった。
19歳、日常生活もままならなくなり、自ら心療内科を受診した。
強迫性障害だった。
服薬と通院が始まったが症状は悪化していき、閉鎖病棟へ入院した。
20歳になった時だった。
入院中当時の主治医が、私の日常動作を見て疑念を抱き、知能検査を受けた。
結果は「知的障害」だった。
普通はここで、ショックを受けるだろう。
けれど私は、とても安心した。
今まで出来なかった事は、障害の影響だと分かったから。
ずっと自分は、努力の足りないダメ人間だと思っていたから。
私は、20歳でやっと、本当の自分を知る事が出来た。
────ここまで読んで下さってありがとうございました。